15歳5カ月1日でのJリーグ最年少デビューを果たした、東京ユース所属のMF久保建英が試合後「今は、まだ…別に、あまり注目してほしくないなと…はい」と、過剰な取材攻勢に中学生らしい本音を漏らした。
この日は試合後、テレビ局の囲み取材に応じたほか、ペン記者の囲み取材にも応じた。周囲を記者に囲まれた“押しくらまんじゅう状態”の中、記者から矢継ぎ早に質問を受けた。
-1番違いを感じたのはパワーやスピード?
「相手チームも(東京)U23の選手も、自分が今までプレーしてきたところとは全然違うくらい、パススピードだったり展開が速くて、最初は全然ついていけなくて。自分が思っているよりも結構、速いパスがきて、あたふたしちゃう場面もあったので、スピードというのは大切だなというか…まだまだ劣ってるなと感じました」
-遜色なくプレーするためにどういう練習をしていきたいというイメージは?
「自分のチームの選手たちのパススピードが速いと言いましたが、自分も、もっとパススピードやドリブルのスピードを上げることで、彼らが持っている速いスピードに、対抗できるんじゃないかなと思っている。1つ1つのパス、ドリブルのスピードを上げられるように頑張りたい」
-体を大きくすることについては?
「体を大きくするのは、ユースの(プレーしている)時から結構、課題なので、引き続き頑張りたい」
-時間がたつにつれてスピードにも慣れたのでは。右サイドでぴたっと速いボールを止めたシーンとか。ああいうあたりは自分の感覚を出せた?
「(プレーに)慣れもしてきて、もともと、ああいうプレーは普通にやらないといけないと、自分の中で思っているので。何もしないで終わるわけにはいかないと思っていたので、そういうプレーも何度か出していきました」
-左サイドで仕掛けて、最後にちょっと折り返しが合わなかったけれど?
「(パスを)もらったときに、もうゴール前だったんで、仕掛けようとは決めていて。最後に抜いたのはいいんですけど、その後、足元に詰まっちゃって、変な形のクロスになっちゃったんですけど。次は、同じような形があったら、あそこで冷静に落ち着いて中央に、もっといいクロスを上げたいと思います」
-スルーパスもありましたね。
「あれは後で柳くん…柳(貴博)選手に『こっちも空いてるよ』と言われて…。あのシーンは結構、緊張していて、周りをあまり見られずに。周りを見ることも、自分の特徴だとも思ってはいるんですけど、あの時はユ・インス選手の動きだししか、目に入っていなかった。ボールが延びてしまって、最後にちょっと合わなかった」
-試合に入る時は緊張していた?
「初めてだったんで、すごく緊張していた」
-今日は1つの区切りか、スタートか、どんな風にとらえる?
「経験の1つとして、高いレベルを経験できた。どのくらい差があるのか、というのが分かったので、その差を詰めていけるチャンスというか、いい機会になったと思う」
-7000人も入った。注目されているのは、どう感じる?
「ええっと…まぁ、注目されて、うれしいとか、そういうことはないですけど…。サッカー選手として今後、やっていきたいって思った時に、今は違うんですけど、サッカー選手になった時は、やっぱり注目されなくなったら良くないな、というのはありますけど、今は、まだ、別に…あんまり注目してほしくないな、というのもある…はい」
-緊張してたとはいえ、強気なポジショニングでボールを呼び込もうとしていたが、初めての選手もいて、ほしいタイミングでもらえず、もどかしさはあった?
「何回かほしいなというのはあったんですけど、逆に他の選手たちがほしいタイミングで(パスを)出せていなかった時とか、そこ取られちゃだめだろうというところで取られたりもあったんで、全然、人のことを言えるような立場じゃないんですけど…そういう感じです」
-前半、ベンチからピッチを見ていて、出たらどういうプレーをしたいというイメージがあって、後半それをどれくらいできた?
「前半2-0で負けている状況で、チームの得点に絡みたいな、というのは勝ってても負けててもなんですけど、負けていたので一層、思っていたので。でも最終的に、最後の質の悪さが出ちゃったんで、そこは改善していきたい」
-質を上げていくため、成長し続けていくための力って1番、何が大きい?
「大切なのは気持ち…貪欲というか、上には、さらに上がいて、という感じ。まだまだ下なので、どんどん追い越していけるように…という、その気持ちで毎日やっているんですけど。それが大切かなぁって思います」
久保は取材後、関係者との記念撮影を終えると、関係者に寄り添われながら足早にチームのバスに乗り込んだ。