J2降格が決まった名古屋の来季新監督に、川崎Fの風間八宏監督(55)が最有力となったことが17日、分かった。Jリーグ関係者によれば、既に水面下で打診を済ませている。同監督は今季限りで川崎Fを退団することが決定。23日からチャンピオンシップ(CS)を控えていることから、CS終了後にも正式交渉に入り、順調なら年内に正式決定する。

 名古屋が再建の切り札として、川崎Fの風間監督に白羽の矢を立てたことが判明した。Jリーグ関係者によれば、来季の新監督として一本化。既に水面下で打診を済ませている模様だ。同監督は今季限りで、12年から指揮を執る川崎Fの退団が正式に決まっている。しかし、23日からCS準決勝・鹿島戦を控えており、CS終了後にも正式交渉に入るものと見られる。

 来季のJ2降格が決まったことで、名古屋側は96年まで監督を務めたベンゲル氏(現アーセナル監督)を“アドバイザー”として、強豪復活の助言を求めていた。当初はカメルーン代表監督などを務めたポール・ルグエン氏(52)らを新監督候補に挙げていたが、クラブ内部の派閥争いで横やりが入って完全消滅。12年から川崎Fの指揮を執り、元日本代表FW大久保嘉人を3年連続得点王にするまでに育て、今季は優勝争いを繰り広げた風間監督の手腕に注目。日本人では最高クラスの監督として、指揮を委ねる方針を固めた。

 1年でのJ1復帰だけでなく、昇格後すぐJ1で優勝争いに絡むことが目標になる。Jリーグでは、13年にJ2だったG大阪が、長谷川健太監督を招聘(しょうへい)して昇格初年度の14年に3冠を達成した経緯がある。そのため、補強では歴代2位のJ1通算161得点を挙げている広島の元日本代表FW佐藤寿人(34)と、湘南MF長谷川アーリアジャスール(28)の獲得に乗り出している。名古屋は、風間監督で完全復活する考えだ。

 ◆風間八宏(かざま・やひろ)1961年(昭36)10月16日、静岡市生まれ。清水商時代に脚光を浴び、79年世界ユース選手権に出場。筑波大で日本代表入り。卒業後にドイツのブラウンシュバイクなどでプレーし、89年に帰国して広島の前身マツダ入り。93年の第1Sで「J日本人第1号ゴール」を決めた。97年現役引退。桐蔭横浜大、筑波大監督を歴任し12年4月から川崎F監督に就任。