仙台のMF佐々木匠(18)が、11月29日から11日まで研修していたオランダ1部ユトレヒトから獲得オファーを受けていたことが、19日までに分かった。仙台ユース出身の佐々木は14年に2種登録され、クラブ史上最年少の16歳でJ1ベンチ入りを果たした。今季にトップ昇格を果たし、7月のG大阪戦に途中出場し、J1デビューした。U-19日本代表にも選出される、仙台期待の若手だ。

 ユトレヒトはオランダの名門クラブで、今季は19日時点でリーグ戦は6位。かつて日本人では、磐田などで活躍し12年に引退した元日本代表の藤田俊哉氏(45)や、元プロ野球の高木豊氏(58)を父に持つ現J2東京VのMF高木善朗(24)が所属した。ユトレヒトは佐々木の技術と将来性を高く評価しており、代理人を通して交渉に入るとみられる。

 仙台生まれの佐々木は、3歳からサポーターとしてユアスタや練習場に足を運び、ベガルタに触れ合ってきた。今年1月の新入団会見では「誰よりもこのクラブが好き。夢のクラブに入れてうれしい。自分が活躍してベガルタの名を世界に広めたい」と、最大級のベガルタ愛を公言していた。今季は負傷離脱もあり、リーグ戦わずか2試合の出場で無得点。不完全燃焼でルーキーイヤーを終えており、まずは仙台で活躍したい思いは強いはず。それだけに、移籍実現へ前向きになれるかは不透明だ。しかし、そのポテンシャルの高さが、世界レベルであらためて証明されたのだけは、間違いない。