兄の雪辱を果たした。徳島市立がPK戦の激闘を制し、3大会前と同じ顔合わせとなった一戦に勝利した。

 5人目のキッカーとなったMF郡(こおり)紘平(3年)は「もらった!」と心の中で喜んでいた。3大会前もPK戦の末に勝利。しかし当時、兄捷太さんが1人目のキッカーで失敗する場面を現地で観戦していた。「生で見ていて複雑な気持ちだったのは覚えている」と振り返るが、自身の番となると冷静だった。

 帝京長岡は1人失敗しており、決めれば勝利と重圧のかかる場面も「PKで負ける気はなかった。勝てる自信があった」と自信満々。PK戦は得意で試合中のPKも任されているほどだが、今大会はいつもの1番目のキッカーから5番目へと変更。「チームの勝敗にかかわる。責任が重い」と意気に感じていた。最後は左隅へ成功させ、兄のリベンジを果たした。

 先制直後の後半6分に同点弾を決めるなど大活躍。「兄ちゃんが悔しい思いをしていたので、自分が決められて良かった」と兄の無念を晴らしたと喜んだ。【島根純】