元主将の活躍で聖和学園(宮城)が初戦突破した。

 持ち味のドリブルサッカーを研究されて前半からリズムをつかめず、後半13分に背番号10のFW西堀駿太(3年)が出場。縦への突破を武器に決定的な場面を演出し続けた。すると後半35分にMF藤井僚哉(3年)が先制弾。後半38分には藤井からラストパスを受けた西堀がダメ押し点を決めた。スーパーサブは裏への抜け出しや、縦への突破で相手守備ラインを揺さぶっての勝利に貢献。2点目の場面を振り返り、「相手が疲れている中での点でしたし、自分の得点なんですけど、チームの得点です」と喜んだ。

 主将だった西堀は6月中旬に左足首靱帯(じんたい)を負傷。2カ月の長期離脱を余儀なくされ、「監督と3年生全員で話しをしました。次のステップに行くなら(現主将のDF小倉)滉太が引っ張っていった方が強くなる。託そうと思った」と主将の座を降りた。そこから「チームを下から支えることに決めた」と献身的にプレーし続けた。

 12月中旬の大会前には「初心に帰るため」と髪形を丸刈りにした。サッカーを始めてから高校入学直後まではずっと丸刈りだったと笑うが、久しぶりの原点回帰。「身が引き締まる思いです」と聖和学園では珍しい髪形で気合を入れなおした。

 西堀について、加見成司監督(44)は「ケガで離脱した時期にチームが変わったりした。葛藤がある中、活躍してくれてうれしいです」と苦労人の活躍を喜んだ。【島根純】