シーズン前のフロント3人の辞表提出に揺れるJ2長崎が11日、岩本文昭専務(48)と服部順一GM(46)の1月31日付での退任を発表した。

 また3月1日に臨時株主総会を開催することを発表。2人と同時に辞表を提出した池ノ上俊一社長(49)について諮られるが、そのまま辞任する見通しとなりそうだ。

 この日、トランスコスモススタジアム長崎(諫早市)で行われた17人の新入団選手の発表会見に出席した非常勤の内田正二郎取締役会長は、シーズン開幕直前の常任取締役3人の辞任劇に「ご迷惑をおかけしている。新加入選手も入ってきて、これからが大事な時期。最大限の努力でフロントも立て直していきたい。なんとしても乗り切って、円滑なスタートを切っていきたい」と話した。

 昨年12月に3人が辞表を提出。「経営不振が理由だと聞いている」と内田会長は話したが、今季に向けてスタートを切るこの時期まで明らかにしていなかった。2月8日に佐世保市内で行われたサポーターとの会合で、チームが今季に向けてキャンプを行っている最中に「発表」されるという異例の形になった。内田会長は「まだ株主さんにも、スポンサーさんにも説明していない。これから説明責任を果たさないといけない」とした。

 フロントトップ辞任劇について内田会長は、2016年度の決算で約1億4000万円の赤字見通しとなった経営不振の責任と説明している。だが、昨年6月からクラブに関する投書が、Jリーグなどに複数回送られていることも明らかになった。まず日本サッカー協会に、匿名の同人物と思われる投書が2度送られた。その後Jリーグにも同じ内容の投書が届き、クラブは内部調査を実施。Jリーグも独自の調査を始めた。この件についてはクラブ関係者は「調査中で明らかにできない」とした。

 この日夜に開催された約100人のサポーターとのミーティングでは「辞任した2人がなぜ出席しないのか」など、経営陣の責任を追及する声が多く上がった。

 「説明責任を果たす」とするクラブ側が、3月1日に行われる株主総会でどのような説明をするのか、注目される。