清水エスパルスの大卒新人DF飯田貴敬(22)が、次節アウェー、サンフレッチェ広島戦(4日)で先発に抜てきされる可能性が浮上した。28日、清水三保グラウンドで行われたミニゲームでは、右サイドバックに入ってプレーした。

 ボールを持つと、スピードに乗ったドリブルで積極的に仕掛け、クロスを入れた。ゴール前では激しい球際の守備を見せ、小林伸二監督(56)から「いいぞ!」と声が飛ぶ場面もあった。特にFW鄭大世(32)とは「あうんの呼吸」。練習中は、2人の連係から何度もチャンスが生まれている。鄭も「飯田のクロスは合いやすい。あのスピードは武器になる」と認める逸材。飯田は「(自分で)フィニッシュまでいけるし、個人でも突破できるところをアピールしたい。チャンスはあると思う」と手応えを口にした。

 緊急事態のチームを助ける救世主になる。主力ボランチのMF河井陽介(27)が左アキレスけん断裂で、同じくMF竹内涼(25)が右大腿(だいたい)骨骨挫傷で離脱中と中盤の選手層が薄い。そのため、開幕戦のホーム神戸戦(2月25日、0-1)で右サイドバックを務めたMF六平光成(26)がボランチに入る可能性が高く、飯田にも出場機会が巡ってきそうだ。神戸戦では初ベンチ入りを経験。12年の河井以来となるルーキー開幕先発はかなわなかったが、スタジアムの雰囲気を感じて気持ちが高まった。「デビューが楽しみ」と次戦を見据えている。【保坂恭子】