昨年12月29日に脳梗塞で緊急入院した元日本代表のラモス瑠偉氏(60)が2日、都内で復帰会見を行った。

 2月27日の検査では再発はなく、血管も順調に血液が流れていることが確認され、4月1日から仕事に復帰することを発表した。

 ラモス氏はリフティングや左右でのキック、片足立ちなどを披露し復活をアピールし「80歳まで生きてまだほえるで!」。JFLのFC今治オーナーの岡田武史氏(60)に向けて「岡田さんの下で現役でサッカーやりたい。アシストして点を取る。背番号10は空いてる?」と猛アピールした。

 現在は心臓を継続的に検査するため、埋め込み心臓モニターを左胸皮膚の下に入れモニタリングしており、血液をサラサラにする薬を服用。出血すると止血が容易でないため、けがには細心の注意を払う生活を送っている。4月の仕事は、都内でけがのリスクがない講演や媒体の取材などから始める予定だ。

 ラモス氏は、脳梗塞で命を落とした知人がいたことで、入院直後は再発を恐れネガティブな日々を送っていた。ひたすら神様に「再発しないように」と祈った。入院直後から歩行器で俊子夫人(39)に支えられトイレを往復し「今、考えたらその時からリハビリは始まっていたかもしれない」と振り返る。1月24日から2月14日までリハビリテーション施設でリハビリを続け、軽いジョギングができるまでに回復した。

 脳梗塞発症時、ベッドから落ちたことで異変が発覚し、俊子夫人がいちはやく救急車を呼んだ。医師からは「あと2、3ミリ、脳梗塞が進行していたら運動機能に障害が出た」と言われ、夫人の機転に命を救われた。ラモス氏は、死別した前妻の初音さんの名を挙げ「亡くなった妻がベッドから落としてくれたと。あのまま寝ていればそのままいってしまったかも。今の妻の判断が救ってくれた。恵まれてるんです、女に。来月、女の初孫が生まれてきます。めちゃくちゃ恵まれてますね」。家族や支えてくれたファンへの感謝の気持ちを話すと涙がこぼれていた。

 最後は「神様がもう1度、人生を与えてくれた。全国を回って、子供にサッカーの楽しさ、厳しさを教えながらいろんなことできれば。監督としてもピッチに立ちたい。これからは人のために生きたい」と決意を語った。