今季、横浜F・マリノスからジュビロ磐田に加入した元日本代表MF中村俊輔(38)が、本拠地デビューとなる今日4日のベガルタ仙台戦(ヤマハ)を前に日刊スポーツのインタビューに応じた。0-0と引き分けたセレッソ大阪とのJ1開幕戦では両軍最長の走行距離12・637キロを記録し、変わらぬタフさを見せた。年齢を重ねて感じることやコンディション維持の工夫などについて語った。

 -開幕戦での走行距離はチーム1位で、リーグ全体でも4位

 「データにすぎないですよ。走れたけど、人との違いを見せられたかと言えば、見せられてはいないです。ただ、去年の後半戦はあまり試合に出ていなかったので、体力的にどうなのか? という部分では、ポジティブに捉えています」

 -若い頃から酒は飲まず、たばこは吸わず、「好きなコーラは月1本」などと節制していた。積み重ねが生きているか

 「それは絶対にあると思う。(節制を)していなくて30歳を超えてガクッとくる選手も見ている。今はクリームソーダ。オフの期間に1回飲むか飲まないか」

 -現実に体力低下は感じたことはないか

 「それはあります。走った後のボール扱い。前はこねられたけど、足に乳酸がたまった時はワンタッチ、ツータッチで誰かに出すようにしている。ただ、その分、いつも周りを見て判断力を研ぎ澄ましています。ネガティブな部分をポジティブに変えられるのもサッカーだから」

 -初の国内移籍。積極的に話している

 「しゃべらないと相手にしなくなるし、そういうキャラになってしまう。イタリア(レッジーナ)の時代、オフで日本に帰った時、マツさん(松田直樹さん=故人)から『しゃべるようになったじゃん』とうれしそうに言われました。今は周りを見ながら、自分もチームメートもレベルを上げたいと思って接しています」

 -開幕戦を振り返って

 「多くのことを感じながら試合をしました。例えば川又(堅碁)の近くに寄った方が、チャンスを作れるんじゃないかと。いろいろな課題が見えましたね」

 まだ、中村俊の挑戦は始まったばかり。課題については、選手間で既に話し合っているという。今日の仙台戦は、個人とチームの前進を見せる決意だ。【柳田通斉、前田和哉】