アルビレックス新潟が1-2でヴィッセル神戸に敗れ、今季初黒星を喫した。0-1の後半30分に、途中出場したFW田中達也(34)の2試合連続得点で追いつくもその1分後、コーナーキックから神戸に勝ち越しを許した。2失点はいずれもセットプレーからと課題を残した。2017年の初勝利は、ホーム開幕戦の清水戦(11日・デンカビッグスワンスタジアム)に持ち越された。

 チームの意地を34歳のベテランが見せた。後半22分、MF成岡翔(32)に代わって出場した新潟のFW田中は、その8分後に仕事をした。

 DF川口尚紀(22)の右サイドからのクロスをFW山崎亮平(27)がヘディング。それを相手GKがはじいた。「運良くこぼれてきたので、決められた」。左サイドに詰めていた田中は、絶好のチャンスを左足でものにした。

 開幕戦だった前節の広島戦に続く途中出場で、この日も同点弾。2試合連続ゴールは16年の第1ステージ第4節柏戦、第5節福岡戦以来だ。「結構、連続して取れるんですよ」。試合前、手ごたえを口にしていた通りの結果を残した。

 ただ、それが勢いにつながらなかった。田中のゴールから1分後、神戸MF高橋秀人(29)に、コーナーキックの混戦から勝ち越しゴールを許した。喜びもつかの間、再び追う立場になり、「勝利でなければ意味がない」。連続得点にも田中に笑顔はなかった。

 三浦文丈監督(46)は「警戒していたセットプレーでやられてしまった」と、失点の形を悔やんだ。前半3分、神戸MF藤田直之(29)のロングスローから中央でボールをつながれ、DF渡部博文(29)に先制点を決められた。そして後半はコーナーキックから、決勝点につながった。

 神戸戦に向けた練習では、180センチ台の選手を6人そろえる相手の高さと、藤田のロングスローを十分に注意して取り組んだ。それでも失点した。GK守田達弥(26)は「セットプレー1発というより、その後のボールを拾われてやられた。もっと注意しなければ」。課題克服に、さらに意識を高めなければならない現実を突きつけられた。

 次節はホーム開幕の清水戦。田中は「どんな形でも勝ち点3を取らなければならない」と、初黒星の悔しさを初勝利へのパワーに変える。【斎藤慎一郎】