FWホニ(21)の来日初得点で勝ち点1をもぎ取った。アルビレックス新潟は1-1で横浜F・マリノスと引き分けた。0-1の前半40分、ホニが相手のバックパスを奪って同点ゴールを決めた。今季初勝利、チームのJ1通算150勝目はまたも持ち越しになったが、粘り強さは見せつけた。新潟は次節の第5節(4月1日)、ガンバ大阪とデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。

 ホニの体が宙に舞った。「やろうと決めていた。あれが自分の喜びの形なので」。横浜サポーターで埋まったホーム側ゴール裏の前で、2度のバック宙。170センチ、65キロの体が軽快に跳ねる。

 前半40分、相手DFのバックパスを横浜GK飯倉大樹(30)の前でさらう。「GKにいったボールが弱かったので狙った」。俊足をとばしてものにしたボールを、右足で無人のゴールに収めた。そして来日初得点の喜びを、体いっぱいに表現した。

 開幕からスタメン出場を続けている。シュート数はここまで3試合で9本。果敢にゴールを狙っていた。それでも結果につながらなかったことに焦りもあった。4試合目でようやく奪った1点。「うれしく思うし、自信になる」と自然と笑顔になった。

 新潟で待つスワニー夫人(22)に、試合後すぐに電話をした。7月に出産予定の夫人に「うれしかった」とストレートに喜びを伝えた。「本当なら勝ち点3がほしかったが、アウェーということを考えれば勝ち点1は大きい」。新潟に持ち帰る勝ち点があることを、うれしさとともに前向きに捉えた。

 三浦文丈監督(46)は「粘って守備を構築し、なんとかしのいでの勝ち点1」と選手のしぶとさをたたえた。後半のシュート数は新潟の1本に対し、横浜は7本。攻め込まれる場面が続いた。

 それでもDF大野和成主将(27)が「体を張って、粘り強く守れた」と全員でゴール前の守備を固めた。相手に食らいつき、泥くさく。そんな新潟らしい戦い方の先に、待望の勝ち点3は見えている。【斎藤慎一郎】