アスルクラロ沼津が今季からJ3に参戦し、J史上初めて県勢4チームの試合が同日開催された。沼津はクラブの歴史を刻む開幕戦をホームで開催したが、福島ユナイテッドに1-2で敗れた。

 沼津は黒星発進となった。前半44分と後半15分に失点。同28分に途中出場のFW渡辺亮太(26)が右足でチーム1号をマーク。だが、あと1点が遠かった。吉田謙監督(47)は「勝てなくて残念です」。東部地区初のJクラブとして臨んだ初陣を勝利で飾れず、悔しさをにじませた。

 ただ、光明もあった。前半8分、右クロスをFW薗田卓馬(23)がヘディングシュート。同30分にもダイビングヘッドでゴールに迫った。後半も前線からプレスをかけ続け、手数をかけない速い攻撃を展開。同28分にカウンターからFW渡辺が決めて1点差とした。渡辺は「2点目が取れなかったのは悔しいですが、いい形は作れていた」。シュート数も13-9。J3で4年目の福島に決定機の数でも上回った。

 スタンドにはサポーターだけでなく、地元のサッカー少年団の子どもたち、飛龍高サッカー部の選手ら3089人の観客が集まった。クラブが目標にした来場者数3000人を突破。初勝利は次戦以降に持ち越したが、スタンドから惜しみない拍手が送られた。選手は一様に感謝し、DF尾崎瑛一郎主将(32)は「素晴らしい雰囲気でした」と言葉に力を込めた。

 次節(25日)は藤枝との「静岡ダービー」。再びホームでの大事な一戦を見据え、渡辺は言った。「次は必ず勝ちます」。歴史をひもとくと清水、磐田、藤枝もJリーグ初戦は敗れている。沼津も次戦からの反撃を期す。【神谷亮磨】