初めてのJ3静岡ダービー、アスルクラロ沼津-藤枝MYFC戦が今日25日に開催される。会場は今季からJ3に参入した沼津のホーム愛鷹広域公園多目的競技場。桐陽高出の藤枝DF久富良輔(26)は、思い出の地での戦いに燃えている。

 藤枝のDF久富とMF枝本雄一郎(28)は神奈川県出身ながら、「第2の故郷」静岡への思いを胸にダービーを迎える。

 久富は沼津市の桐陽高出身。試合会場の愛鷹では、体育祭が行われた。楽しい思い出もあるが、厳しい練習も想起する。サッカー部では高校から愛鷹までの約6キロ、ランニングで往復するフィジカルメニューがあった。「30~40分くらい走った苦しい思い出です」。沼津戦には、高校の同級生やサッカー部の先輩、後輩らが観戦に訪れる予定だ。「サッカー王国で、ダービーに出られることはうれしい。沼津の3年間があったからこそ、今もサッカーができている。感謝の気持ちを持ってプレーしたい」。

 静岡学園高出身の枝本は、2戦連発を狙う。開幕戦のアウェー鹿児島戦(11日)では0-5で大敗した。だが、前節のホーム東京U-23戦(18日)では決勝点を挙げ、2-1の逆転勝利を呼び込んだ。昨季は12得点で、得点ランク4位。今季は20得点10アシストが目標で「前節勝利して、いい流れになっている。自分でゴールを取って、チームを勝たせたい」と話す。

 J3で1年目の沼津に対し、藤枝は4年目。昨季は過去最高の7位とチーム力は向上している。大石篤人監督(40)は「去年からバージョンアップしている。選手たちも盛り上がっているので、(ダービーの)一戦にこだわりたい」。敵地だが、藤枝の誇りに懸けて勝利を狙う。【保坂恭子】