東京ユース所属のJ3FC東京U-23(23歳以下)MF久保建英(たけふさ)が、Jリーグ最年少ゴール記録を更新した。先発したセレッソ大阪U-23戦で、4人をかわすドリブルから左足で初ゴール。15歳10カ月11日は森本貴幸(J1東京V)の15歳11カ月28日を抜き、J1とJ2を含めても最年少。都内の私立高に進学したばかりの久保の記録弾でチームも1-0で勝利。5月20日開幕のU-20W杯韓国大会の代表入りへ、最高のアピールとなった。

 桜舞う大阪で15歳が新たな歴史をつくった。最年少得点記録を樹立すると、久保はベンチに走り、舌を出した。「決めた瞬間は本当にうれしかった。毎試合、今日こそ決めてやろうと思っていたし、プロへの第1歩は踏み出せたと思う。ホッとした」。頭の上で手をたたき、サポーターと喜びを共有した。

 歴史的瞬間は前半38分に訪れた。左サイドで出したパスがDFに当たり、はね返りを拾うと、覚悟を決めた。まず2人をはがし、さらに2人を引き連れながらスルスルと抜ける。角度はなくなったが、迷わず左足のアウトサイドで蹴り上げた。ブレも加わったシュートはGKの頭上を襲い、手を吹き飛ばし、クロスバーと右ポストに次々に当たってゴールに吸い込まれた。

 「あそこまで行ったらシュートしかないかなと思った。(記録達成は)大して気にしてません。それよりもサポーターにゴールを届けられたことが大きい」。97年天皇杯で愛媛ユース石川大が打ち立てた15歳10カ月24日も更新。日本の1種公式戦(年齢制限なし)で最も若い得点者になった。