鹿島アントラーズのグラウンドに「大迫」が登場した。1日、茨城・鹿嶋市内での練習に鋭い視線を送った。鹿島から巣立ってドイツ1部ケルンで活躍するサッカー日本代表FW大迫勇也ではなく、陸上男子5000メートル日本記録保持者で、先月17日に初マラソンのボストンマラソンで3位入賞した大迫傑(すぐる、25)の姿。

 練習後は、鹿島の公式SNS上でDF昌子源(24)西大伍(29)MF土居聖真(24)と4人でトーク企画に参加。リオ五輪後の昨年10月に、DF植田直通(22)やスペイン2部テネリフェに移籍したMF柴崎岳(24)と共通の知人を通じて知り合い鹿島ファンとなり、チームスポンサーでもあるナイキ社所属の縁で実現した。

 約30分間のライブトークでは土居が「長距離を走る時に何を考えているの?」と質問すると、大迫は「無ですね。たまに自分で走りながら(心の中で)実況中継したり」。昌子は「無になるというのは印象的。自分はプレー中に考えながら選択肢を絞っていくほう。他の競技の人と話す機会は刺激になる」と感銘を受けた。大迫からは「チームスポーツでうまくやるには?」を問われると、西は「思っていることを全部言うことが大事かな」。昌子は「先輩にも怒らないといけない時がある」と続けた。

 4日の首位浦和レッズ戦(埼玉)を前に、さらに気持ちが高まる時間だった。今週のJ1は4~7日にかけて分散開催。4日は昨年のチャンピオンシップ(CS)決勝を戦ったチーム同士の一戦が、唯一の試合となり、NHKでも放送される。昌子は「CSと一緒で、他のJリーガーにも見られていると思う。Jリーグのトップを張るチームのハイレベルの試合。普段は見ない人にも見ていただき、サッカーファンになってくれればいい」。他競技からファンも取り込む熱戦を誓った。鹿島は勝ち点1差の3位につけ、勝てば首位に立つ可能性もある。