ガンバ大阪の元日本代表MF遠藤保仁(37)が1日、大阪・吹田市内で行われたサブ組主体の関大との練習試合に志願して出場した。19年ぶりにベンチ入りしながら不出場だった前日4月30日の横浜F・マリノス戦後、長谷川監督からは「明日はダウン(軽めの調整)だけでいいよ」と伝えられた。だが「練習試合やりたいです」と希望。横浜戦後に「また試合に出られるようやっていく」と話した通り、気持ちを切り替えて調整した。

 ベンチで終わった悔しさは誰よりも持っている。指揮官も「ヤット(遠藤)の功績を考えると簡単な決断じゃなかった」と複雑な心境を明かす。苦渋の決断をした理由は「チームとして戦う上で運動量が大事。ヤットはもっと(運動量を)上げていかなければいけない」と感じたからだった。

 2連勝した大宮、横浜戦は運動量がカギだった。G大阪のスプリント(時速24キロ以上のダッシュ)数は2試合ともJ1の全18チームでトップ。開幕から9試合の平均も1位だ。走行距離の平均も3位で、個人では横浜戦のMF井手口が12キロ超えで第9節トップ。遠藤に代わりダブルボランチを組んだMF倉田も4位だった。運動量で上回り、勝利を手に入れているのが現状といえる。

 だが、もちろん遠藤の力は必要だ。長谷川監督は「もう1度頭も体もリフレッシュすれば、いいプレーをしてくれる」と期待。主将もその思いを理解しているからこそ「志願」という形で応えた。【小杉舞】