ドイツ1部ヘルタで活躍する日本代表FW原口ら、数多いチームOBの存在が、プロ選手になる目標を明確にしている。山形DF茂木、大宮MF黒川、広島MF松本と3年連続でプロ選手が誕生。OBが出場するJリーグを観戦しながら、現地で強豪と練習試合を積み、実力を磨いてきた。2年前の夏には原口が練習を見に訪れ、ドリブルやシュートなどを直接指導。木村も「『頑張ってください』と声をかけてくれたことは思い出」と活力となっている。

 大会前には松本暢佑監督(66)を通じてLINEで「自分の力を出せ」と激励文も届いた。原口時代の2度の優勝以来、チームとして他の全国大会も含めて4度目の日本一。同監督は「元気みたいなスーパーな選手はいないが、今年は全員が高いレベル。子供たちが憧れでなく、近い将来プロになれるんだと思う目的意識は強みだと思う」と喜んだ。

 第2Pに同点となる約30メートルの直接FKを決めたDF川原良介(6年)は「力は100%出せました。もっと練習して強くなりたい」。主将のDF為谷永渡(6年)も「絶対に優勝できると思っていたので、自信になった」。プロの夢をかなえる1歩となる頂点をつかんだ。

 ◆北沢豪氏の目 これまでの決勝戦よりも、ボールを奪ってからの切り替えが早かった。攻守に隙のない決勝だった。小学生年代は攻撃の練習に重点を置きがちだが、決勝に進んだ両チームは守備がしっかりとしていた。その高い守備力を打ち破った江南南サッカー少年団は、MF上西くんのアイデアのあるパス、同点ゴールのDF川原くんのFK、DF馬場くんの運動量は面白い。あと決勝点を決めたFW木村くんの反転の動きは、他にあの動きをできる選手はいない。有望な選手が多い大会だった。(日本サッカー協会理事)