アルビレックス新潟は三浦文丈監督(46)が休養することを7日、発表した。6日に本人がクラブ側に辞意を表明。10試合を終えて1勝2引き分け7敗、勝ち点5で、J2降格圏の17位に低迷している責任を取った形だ。今後は片渕浩一郎コーチ(42)が監督代行として暫定的に指揮を執る。新潟U-15から内田潤コーチ(39)もトップチームのコーチに就任。2人は昨年、当時の吉田達磨監督(現甲府監督)が解任された後、片渕監督、内田コーチとしてチームを残留に導いた。苦境を脱出したコンビが、再び残留への道筋をつける。

 片渕監督代行が再び采配を振る。代行就任初日の7日、第10節川崎フロンターレ戦(5日)に出場しなかったメンバーを中心に、約1時間30分の練習を仕切った。

 片渕代行は「試合も近い。誰かがやらなければならない。その中でクラブが僕を起用する決断をした」と言う。10日にはルヴァン杯セレッソ大阪戦、14日にはリーグ戦第11節浦和レッズ戦が控えている。士気を下げるわけにはいかない。6日にクラブ側から代行就任を打診されると、すぐに腹は決まった。

 クラブは後任監督として、ブラジル全国選手権2部パラナの前監督で、元日本代表の呂比須ワグナー氏(48)と交渉中。片渕代行の役目は後任が決定するまで。それまでに、まず整備するのは守備。開幕から課題の失点を防がなければならない。「今はボールを奪いに行く場面なのか、引いて守るのか。その基準をはっきりさせる」。チーム内で不統一だった守備の意識を徹底させることに着手する。

 昨年、吉田前監督の解任を受けて9月27日にコーチから監督に内部昇格。それから222日後、代行とはいえ再び指揮を執る立場になった。「前回の経験がある分、緊張もしているが、落ち着きもある」。前回は15位で残留したが、指揮した4試合は1勝3敗。最後の3節は3連敗だった。シーズン後は悔しさが募った。

 その分、今回は勝利への意欲は強い。「誰のために戦うのか。クラブを支えてくれる人たちに戦うという気持ちを、選手に持ってもらいたい」。熱い思いで現状打破の先頭に立つ。【斎藤慎一郎】