ベガルタ仙台はホームでセレッソ大阪に2-4で敗れ、5季ぶりのホーム3連勝を逃した。21日の天皇杯2回戦で筑波大に敗れた屈辱から立ち直り、執念を見せた。その一方で、大量4失点に指揮官や選手は反省の色を示した。

 この日のスタンドは、4日前に浴びせた怒声ではなく拍手で、激戦を終えたばかりの選手を迎え入れた。渡辺晋監督(43)は「選手は勇敢に戦ってくれた」とたたえた。

 2点ビハインドの前半36分。ペナルティーエリア右に進入したMF中野の折り返しをFW石原直樹(32)が右足で流し込んだ。再び差が開いた後半16分にはFW西村拓真(20)がホーム初得点を挙げた。決定的な4点目を決められても、終了間際には無人のゴールへ放たれたシュートをDF大岩一貴(27)が体を張って防ぐ。チームは勇敢に、相手を押し込んだ。

 しかし、カウンターに苦しんだ末の大量失点は見過ごせない。決定的な4点目もカウンターから。クリスランは「カウンター狙いはわかっていたのに、やらせてしまった」と嘆いた。指揮官は「ゲームを読む力」の不足を挙げた。「何となく縦パスを入れてしまえば、カウンターを受けてしまう。リスク管理の徹底をもう1度、研ぎ澄ませて」と改善へ向け決意を語った。

 この課題を解決しなければ、安定した試合運びは難しい。サポーターの拍手にも石原は「結果が出ていないので」。ともに喜びを分かち合える日が待たれる。【秋吉裕介】