J2東京ヴェルディを昨季限りで引退した永井秀樹ユース監督兼GM補佐(46)の引退試合で、11年に松本山雅の練習中に心筋梗塞で倒れ、同8月4日に死去した元日本代表DF松田直樹さん(享年34)の長男が、J LEGENDSの一員としてピッチに立った。

 永井氏は命日の8月4日に、松田氏をJ LEGENDSの一員として発表。ツイッターで「大切な戦友を命日にあわせて発表させて頂きました。自分が一緒にプレーした中で間違いなく最高のDF No3。自分自身はもちろん、サッカーfamily皆の胸の中に確実に存在している日本サッカー界のレジェンド。J レジェンドNo3 松田直樹。当日天国にいる直樹とも一緒に。。。」(コメントは原文のまま)とつづっていた。

 松田氏の長男は、父が現役時代に着けた背番号3のユニホームを着て後半に登場。ゴール裏には松田氏が現役時代、プレーしたJ1横浜F・マリノスの横断幕と、同氏の肖像が描かれたビッグフラッグが掲げられた。長男はDFだった父と正反対の最前線に入ると、4分に永井氏の実弟篤志氏(42)からパスを受け、シュートを放ったがDFにはじかれた。同21分にもシュートを打ったが、決めることが出来ず、悔しさに顔をゆがめた。後半の30分間、プレーし続け、得点は出来なかったが、両軍の選手の中で最多タイの2本のシュートを放った。

 永井氏は試合後、松田氏について聞かれ「本当にDFの中で一番好き。今でも最高の選手だと思う。引退試合のお話をいただいてユニホームを発注する時、一番最初に書いたのが背番号3、松田直樹でした」と明かした。

 長男のプレーについては「恥ずかしがってピッチに立たないのかなと思ったんですけど、堂々とやれた。少なからず直樹のDNAだなと思いました」と、しみじみと語った。【村上幸将】