ジェフユナイテッド千葉は、湘南ベルマーレをシュート数19対2と圧倒しながら、セットプレー1発に沈み、リーグ戦で8勝5分けと無敗をキープしていたホームで初黒星を喫した。

 ファン・エスナイデル監督(44)は「僕らは本当にいいチームだと信じる…それだけ。僕らが走り(かける)プレスに耐えられるチームはない。選手はみんな、本当にいい試合をした。その意味でサッカーは本当に不公平だし、残念だし、悲しい」と選手をたたえつつ、無念の思いを口にした。

 前半4分、左サイドのFW清武功暉(26)が右に大きく展開したパスに抜け出したFW船山貴之(30)が、フリーで放った決定的なシュートが枠を外した。船山は前半17分にも2本、清武も同23分に決定的なシュートを放ったが、決めることが出来なかった。前半のシュート数は11対1と湘南を大きく上回った。

 後半もペースを握り続けた。縦に速く、厳しい湘南のプレスをパスでいなすなど、リズムは完全に千葉だった。シュート数も8対1と上回ったが同37分、警戒していたセットプレー1本を、湘南FWムルジャに決められた。

 後半42分には、181センチのDF近藤直也主将(33)、187センチのDF乾貴哉を前線に上げ、パワープレーを仕掛けたが、実らなかった。エスナイデル監督は「試合でやらなければいけないことは、やり尽くした。うまい具合にボールがこぼれたらと思ったが、時間が少なかった。強いチームに、ああいう打ち合いが出来た」と悔しさをにじませた。

 一方で「内容に関しては満足。選手には文句の付けどころがない。選手の努力に感謝します」と選手を絶賛した。その上で「このパフォーマンスを多くの試合で出来れば、たくさん勝てると信じています。これが進むべき道だと確信していますし、このチームの監督としての目標は、このレベルをキープすること」と断言。走力を前面に押し出したハイプレス、ハイプレッシャーというサッカーを貫き続けることが、09年の降格以来、8年ぶりとなる悲願のJ1復帰への道だと強調した。【村上幸将】