清水エスパルスは今日2日、J1残留をかけて今季最終節のアウェーヴィッセル神戸戦に臨む。チームの命運をかけた一戦には、ベンチ外の選手や現場スタッフも駆けつけることが決定。リーグ8戦勝ちなしと悪い流れが続くが“チーム一丸”となって戦い、勝利を目指す。1日は、清水三保グラウンドで最終調整し、敵地入りした。

 J1残留か、J2降格か。決戦に向けて、明るい雰囲気の中にも緊張感が漂い、非公開練習が行われた。小林伸二監督(57)は「大変だけど、乗り越えられたら1つ歴史を作れる。勝ってみんなで喜びたい。絶対に勝ちます」と宣言した。

 神戸戦には、重傷のDF鎌田翔雅(28)ら2人を除くベンチ外の全選手と現場スタッフも、日帰りで駆けつける。前節ホーム新潟戦(11月26日・2-3)後、強化部と話し合い、提案したという。昨年、J1昇格を決めたJ2最終節アウェー徳島戦(11月20日・2-1)は結果次第でプレーオフに回る可能性があり、ベンチ外の選手は静岡に残っていた。そのため16年の監督就任後、初めての全員参加となる。リハビリ中のMF村田和哉(29)は「悔しさはあるけど、仲間を信じて応援するしかない。熱い90分間を共有したい」と言葉に力を込めた。

 重圧は、全員ではねのける。“昇格請負人”として4度のJ1昇格を経験している小林監督も、「あまり寝られない」状況。前日11月30日には、夫人が用意したトンカツを食べ、験担ぎもした。体調不良で前日練習を回避したMF白崎凌兵(24)は、完全合流。「ピッチに立つ人は、みんなの思いを背負って戦うことが大事。全員のモチベーションが高い」と話した。

 自力で残留を決めるには、勝利が絶対条件だ。この日のセットプレーの攻撃練習では、今季最多のゴール数になったという。新潟戦で先制点を挙げたFW金子翔太(22)は「いい調整ができた。まずチームのために戦いたい」。選手、チーム、クラブ、サポーター。全ての力を結集させ、残留を決める。【保坂恭子】