ドイツ出身のヴィッセル神戸ゲルト・エンゲルス・ヘッドコーチ(60)が「ドイツフットボールアンバサダー」の18年最優秀監督賞にノミネートされた。13日に本拠地ノエスタで、同賞を選定する団体の創設者で会長のローランド・ビショフ氏と会見。同賞はドイツ国内外で活躍する指導者や選手に贈られ、最優秀監督候補3人、最優秀選手候補11人から、一般投票で決められる。

 エンゲルス氏は「うれしいし、名誉で誇り。評価されるということはやる気になる。コーチとして全力を出すしかない」と喜んだ。過去にはドイツ代表監督も務めたユルゲン・クリンスマン氏らが受賞している。 エンゲルス氏は28年前の90年1月に初めて来日。もともとはケルン体育大時代に学内で「日本でサッカーをやりたい人募集」という手書きの張り紙を見て、来日を決意したという。プロ経験もある同氏は「サッカーで仕事がしたい気持ちがあった。3年で(ドイツに)帰るつもりで経歴として面白いかなと思った」。

 日本ではJ2水戸の前身である「アセノ・スポーツクラブ」に入り、選手も経験。指導者への道を志してからは、兵庫の強豪校・滝川第二でコーチを務め、横浜Fや京都、浦和などJクラブも率いた。指導者として5度天皇杯優勝に貢献している。

 今回ノミネートされたことで、チャリティー活動に使用できる費用が贈呈される。エンゲルス氏は「東北の地震や津波にあった子どもたちをサポートしたい。11年から活動を続けているが、引き続き子どもたちが楽しくサッカーをするためのサポートができたら」と話した。

 最優秀監督賞は審査された後、5月に発表される。