サッカー人気の高まりを、サムライブルーに託した。北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督(60)が18日、今日19日にワールドカップ(W杯)初戦、コロンビア戦に臨む日本代表にエールを送った。代表には昨季まで率いた浦和DF槙野や遠藤がおり、教え子たちの勝利による列島フィーバーで、Jリーグへの注目アップに期待した。

 ペトロビッチ監督がコロンビア戦での日本代表の健闘を心から願った。「日本代表がいい試合をして、いい結果を残していくことが、日本のサッカー界にとって重要なこと」と、初戦白星を求めた。日の丸を背負って戦う選手には、責任と、可能性がある。「代表チームがやはり日本のサッカーをけん引している。より世の中の注目を集めるという意味で重要」。サッカーへの関心を引きつける、最も重要なピースが代表という考えだ。

 思い描くのは、その先にあるJリーグのファン拡大だ。日本代表をきっかけにサッカーに興味を持った人が、札幌を応援するようになるかもしれない。「日本代表チームがいい試合をして、いい結果を残せば、もしかしたら次の日、我々のトレーニングに200人くらい練習を見に来る人が増えるかもしれない」と期待した。

 4年に1度の大舞台。自身もW杯出場こそないが、ユーゴスラビア代表経験がある。今大会は出身のセルビアが2大会ぶり、現役時代の所属クラブがあるクロアチアが2大会連続出場するなど、注目のカードばかり。見逃せない試合が続き「どれだけ長く(観戦を)続けられるかは、私も分からない」と笑う。寝不足と戦いながら、日本時間の深夜まで試合をチェックしている。

 世界のサッカーの変貌も目の当たりにしている。「非常に拮抗(きっこう)化している。どのチームがどのチームに勝ってもおかしくないような状況が、世界で起こっていると感じている」と分析。「アルゼンチンでも勝てないチームが出てきている」と初出場のアイスランドと引き分けた一戦を振り返る。就任時からJリーグのクラブ間の実力差は大きくないと説いており、現在5位につけるチームの上位進出へ、あらためてW杯から裏付けをもらった格好だ。

 11日間のオフを経て、この日チームは札幌・宮の沢で練習を再開。さっそく午前、午後の2部練習を行い、ミニゲームなどで選手を追い込んだ。W杯によるリーグ戦中断期間を利用し「集中して取り組んでいきたい」と、後ろからの攻撃の組み立て、3トップのコンビネーション、サイド攻撃でのラストパスの精度アップの3点を課題に挙げた。長期オフで購入したばかりの自転車で札幌市内の観光を楽しみ、リフレッシュした指揮官は、世界での熱い戦いを楽しみながら、目の前の使命に燃えている。【保坂果那】