山梨学院が桐光学園(神奈川)に延長戦の末、2-1で競り勝ち、初優勝を果たした。0-1で迎えた後半ロスタイムにFW宮崎純真(3年)のゴールで追いつき、延長前半には左から宮崎が送った速いクロスが相手のオウンゴールを誘って勝ち越した。山梨県勢の優勝は1975年の韮崎以来43年ぶり。

 

 気温32度の暑さの中、運動量で圧倒した。大会前の厳しい走り込みを耐えた山梨学院が延長戦で競り勝ち初優勝。後半終了間際の同点弾など2点ともに絡んだFW宮崎は「自分が決めるしかないと思って信じて走った。最高です」と胸を張った。

 前半に先制されたが、後半は相手守備陣の裏のスペースに宮崎らを走らせ徐々に相手を押し込んだ。ロスタイムに前線に上がっていたDF大石の折り返しを逆サイドで宮崎が蹴り込み同点。延長前半5分には左に流れた宮崎がスピードで相手を振り切り、クロスからオウンゴールを誘った。

 安部監督が「あいつら下手だから」と評するように突出したタレントはいない。勝利を追求し、ロングボール主体のサッカーで挑んだ。だからこそ走り負けるわけにはいかない。7月には4日間で100キロを走る合宿を敢行。ここを乗り切った自信が選手を支え、衰え知らずの運動量を生んだ。合宿で血尿が出るほど走ったという宮崎は「あれに比べれば試合の方が楽なんで」と笑った。

 ついにたどり着いた夏の王者の座。それでも監督は気を緩めない。「こんなんじゃ冬は勝てない。走力に技術をプラスしていく」と早くも全国高校選手権との2冠に目を向けた。