川崎フロンターレが、今季加入したFW斎藤学(28)の移籍初ゴールなどで湘南ベルマーレを逆転で下し、8強に進出した。1-1で迎えた後半9分、斎藤がMF鈴木雄斗(24)の縦パスを、ペナルティーエリア内で技ありトラップで相手をかわし左足シュート。GKに当たったが、ボールはそのままネットを揺らした。斎藤は鈴木と抱き合って喜びを爆発。ベンチのメンバーも斎藤の待望の1発を祝福した。

 斎藤は「ラルフ(鈴木)のパスがボテボテでしたけど、しっかりしたパスが来た。ファーストタッチもうまくいって、相手に追い抜かれそうになったところをしっかり手でブロックして。今までああいうシーンはなかったんですけど、ちょっと成長したかな。良かったなと思います」と振り返った。

 昨年9月末の右膝前十字靱帯(じんたい)損傷のけがを抱え今季川崎Fに加入。4月に実戦復帰した。以降、小さなけがや持ち味であるドリブルをパスサッカーにどう融合させるか試行錯誤し、ベンチ外も経験した。15日の鳥栖戦は試合終盤に絶好機を外し、チームも0-0で引き分け「自分はここに来た意味があるのか」と試合後は落ち込んだ。だが「それでも試合は来る」と切り換え、この1戦に臨んでいた。その中でのゴールに「自分もうれしかったですけど、周りが、学が点取った、とすごく喜んでくれてて。その喜んでいる顔がうれししかった」と話し「うまくいかないこと、苦しいことも1つの人生だと思うし。つらいことも含めてやっていかないといけない。鳥栖戦では外しましたけど、練習で切り替えたことが次のチャンスにつながった。もっと向上心を持って、ここで喜びを得られるようにしたい」と頼もしかった。