日本サッカー協会(JFA)相談役で、元キャプテンの川淵三郎氏(81)が13日、都内で行われたイベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA(ソーシャル・イノベーション・ウィーク・シブヤ、SIW)」に登壇した。

その席上で、代々木公園スタジアム構想が発表された。

代々木公園スタジアム構想は、代々木公園B地区エリアにスポーツ、エンターテインメントの聖地として、そして都市型防災の拠点としてのスタジアムパークを作る構想だ。渋谷区の外郭団体の一般社団法人・渋谷未来デザインの金山淳吾理事は「自然環境と共存した(渋谷に)遊びに来るような人も誇りを持てるスタジアム。代々木公園は国有地で、都が管理している、渋谷区だけではない東京のシンボルプレイス」と構想の細部について語った。大規模災害が発生した場合は、スタジアムのトイレはもちろん、VIPルームは乳幼児を持つ母親などサポートが必要な人々のために使用することも想定しているという。

川淵氏は「民間からサッカースタジアムの話が出たことをうれしく思う」と喜んだ。その上で「保育園や幼稚園、ホテル、レストランがあったり、そこに常に多くの人が集い会うような場所になるような、世界にあまり類のない(ものにしてほしい)」と持論を展開した。その上で「オランダとか欧州に行くと、街のど真ん中にあり、商店街のようになっているスタジアムが少なくない。渋谷区が一番、参考に出来ると思う」と事例を挙げた。

金山理事は「夢ばかり語っていても進まない。騒音、振動、ゴミ問題はどうか。サポーターが自主的にゴミを拾うのか。交通インフラは今のままで良いか? 自然環境の保全と意地拡大がテーマの中、緑地を減らさず作られるか? 生態系も壊してはいけない。いっぱい議論しなきゃいけないことがある」と課題も口にした。

サッカー元日本代表MFで、東京都社会人サッカーリーグ1部南葛SCで10年ぶりに現役復帰した福西崇史氏(42)は「やるからこそ問題は出てくる…その繰り返しは必要。23区からチームからでき、選手が出て、地域を巻きこんでやっていけたらサッカー界、地域が盛り上がることにつながると思う」と語った。

川淵氏は現在、ボールゲーム9競技の日本の最高峰12リーグの競技力の向上と運営の活性化を目指した活動を行う、一般社団法人日本トップリーグ連携機構の会長を務めているが、ともに登壇した一般社団法人コンサートプロモーターズ協会会長を務める、ディスクガレージの中西健夫会長と、スポーツとエンターテイメントの融合を図る新団体の立ち上げに動いているという。中西会長は「このタイミングで、我々音楽、コンサート業界とトップリーグと出新しい団体を作る動きをしています。まさに、このために作るんじゃないかと。とにかく実現するしかない。Jリーグのためとか音楽のためじゃなく、都民、区民のためにやらないと日本はドンドン遅れてしまう。そういうことにしちゃいけないキックオフ」とバックアップを約束した。【村上幸将】