ヴィッセル神戸が日本代表経験を持つ川崎フロンターレのDF車屋紳太郎(26)の獲得に動いていることが16日、分かった。複数の関係者によると、神戸はリーグ戦9試合を残す中、異例の早さで正式オファーを出した。神戸は昨夏、元ドイツ代表FWポドルスキを当時のJリーグ最高年俸の推定6億4000万円で獲得。今夏には元スペイン代表MFイニエスタを推定年俸32億5000万円で獲得した。世界最高峰のFW、MFを獲得し、今度は来季に向けて日本代表DFに白羽の矢を立てた。

 車屋はスピードと対人の強さが武器のレフティーで、主戦場は左サイドバック。筑波大在学中は主にセンターバックで出場し、川崎Fでも今季、センターバックとしても出場している。イニエスタは神戸で中盤の左でプレーしており、車屋が左サイドバックに入れば、左の攻撃が活性化する狙いもあるようだ。

 神戸は昨季、浦和MF柏木、当時の鹿島FW金崎の獲得に動いたが、いずれも実現しなかった。しかし、今回はポドルスキとイニエスタというワールドクラスの選手と一緒に練習できる環境がプラスに働く可能性もある。年俸など好条件を提示するほか、例年であれば10月過ぎに出す正式オファーを異例の早さで出し、獲得に向けた本気度と誠意を示した形だ。

 神戸は現在3連敗を喫し、順位を8位に落としたが、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場圏の3位まで勝ち点差6と可能性を残している。所属選手の能力を見れば、近い将来のリーグ制覇も現実味を帯びている。日本代表DFを獲得できれば、神戸の躍進の原動力となりそうだ。

◆車屋紳太郎(くるまや・しんたろう)1992年(平4)4月5日、熊本県生まれ。5歳からサッカーを始め大津高から筑波大に進み、同大在学中の14年に川崎F加入が内定し、特別指定選手に。プロ1年目の15年からレギュラーに定着。17年10月、日本代表に初選出。リーグ戦120試合1得点。国際Aマッチ4試合0得点。178センチ、73キロ。