仙台育英がPK戦の末に聖和学園に勝ち、2年連続33度目の全国切符をつかんだ。

後半38分に今大会初失点を喫したが、途中出場のMF五十嵐健(3年)が同ロスタイムにDF堀江凜太郎(3年)の左クロスをバックヘッドで合わせ、起死回生の同点弾。延長で決着がつかず、PK戦に突入すると、GK佐藤文太(2年)が2人目から3人連続で止めて歓喜の輪を導いた。

敗戦の危機を救った五十嵐は「(城福)監督から『男になって来い』と言われて、1点入れてやろうと思った。良いボールが上がってきたので、触れば何かが起こるかなと思った。決まったことも分からなかったけれど、訳も分からずに走りました」と応援席に全力疾走し、仲間と喜んだ。

勝利を導いた佐藤は「自分が止めて、全国に行ってやろうと思った。ギリギリまで動かず、甘いコースに来たシュートを連続で防げて良かった」と笑顔を見せた。

昨年の選手権は2回戦で米子北(鳥取)に0-1、今夏の全国総体では1回戦で日章学園(宮崎)にPKで負けた。僅差で敗れた相手が、ともに8強入りしているだけに、城福敬監督(61)は「米子北、日章学園を引き当ててほしい。そこに勝てば上位に行けるということ。正直、残りわずかで入れられた時は終わったかなとも思った。彼らの粘り強さには敬服しています」と選手をたたえた。