浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ監督(67)は、ガンバ大阪に3ゴールを奪われて敗れた試合後、会見場に顔なじみの複数のライターの顔が見えず「彼らが来ていないから、勝てなかったんですね。会見に必ず来るよう、彼らと契約を交わそうと思います」とジョークを飛ばした。

試合については「非常に良くなっていて、好調なガンバとの敗戦は認めざるを得ません。前半はいいゲームをしたと思うが、そこで点を取ることが出来なかった」とG大阪の良さを強調した。

やや押し込んでいた前半43分に、MF小野瀬康介(25)に強烈なミドル弾を食らって先制を許した。オリヴェイラ監督は、3-1で勝った前節10月20日の鹿島アントラーズ戦を引き合いに「前節と同じようなタイミングで失点してしまった。でも同じように逆転する自信はありました。前半のパフォーマンスを見れば、そう感じられたと思います。ただ、相手の1点目は再現しづらいと言えるようなすばらしいゴールだと思う。それは、たたえたいと思います」と小野瀬のゴールをたたえた。

後半4分にFW興梠慎三(32)のゴールで追いついたものの、G大阪がプレッシャーを強めると同17、24分と連続失点。オリヴェイラ監督は「後半、チームが反応して追いつくことが出来ました。ただガンバが、また質の高いプレーを見せました。個々を見ても非常に質の高い選手がそろっていると思います」とG大阪を絶賛。

その上で「2失点目の後、少しチームの勢いがなくなった。自信をなくしたのかも知れないが、試合前にもやっていた、相手のプレーを制限することが出来なかった」とG大阪に押し込まれたことを認めた。

ただ、オリヴェイラ監督は前を向いた。

「でもサッカーの歴史には、こうしたゲームはたくさんあると、皆さんは知っていると思う。次の試合では相手をしっかり抑えて、我々の目標を達成したいと思う。相手のクオリティーを見ないといけない。相手のクオリティーがなければ、あのミス、失点はなかったかもしれない」と10日の北海道コンサドーレ札幌とのアウェー戦を見据えた。

質疑応答ではアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内の3位を死守したい最終盤に、痛すぎる敗戦ではないかと報道陣から質問が飛んだ。オリヴェイラ監督は「今日は、シーズンのこの時期で何としても勝ちたかった試合だったが、勝てなかった。選手がロッカーに引き上げたところで声をかけた。来週、映像を交えながら悪いところより良い部分が多かった試合だと見せたい。自分たちの方に流れを引き寄せていたが、相手のクオリティーが出て試合を決められてしまった」と語った。

またU-19アジア選手権準決勝で敗退した、U-19日本代表にDF橋岡大樹(19)と荻原拓也(18)が招集され、不在だったことにも触れ「オプションとして橋岡、荻原を使うことが出来なかった」と口惜しそうに語った。

それでもオリヴェイラ監督は、退出時に「私のアミーゴたちに、次回から欠席しないように伝えて下さい」と笑みを浮かべながら会見場を後にした。【村上幸将】