川崎フロンターレが史上5チーム目の連覇を達成した。セレッソ大阪に試合終了間際の失点で敗れたが、2位サンフレッチェ広島も敗れたため、2試合を残し、史上2番目の速さで優勝が決まった。

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初優勝だった昨季から守備の連係がさらに強固になった。C大阪に2失点を喫して敗れたものの、今季の1試合平均失点は0・81点。J1歴代3位に相当し、このままなら、年間王者としては06年の浦和(0・82点)を更新する歴代最少記録となる。同被シュート数もJ1史上最少の6・8本。昨季の同9・3本から大幅に減少し、自慢の攻撃だけじゃなく、守備でも隙を見せずに他を圧倒した。

攻守の切り替えの速さに磨きがかかり、守備が文字通り「前進」した。サッカー分析会社「データスタジアム」によると、タックル成功数は昨季の495回(リーグ12位)から今季は3試合未消化時点で541回(同3位)と激増。その平均ボール奪取位置を、自陣ゴールラインからの距離で見ると、37・8メートル→40・9メートルとおよそ3メートル前進した。

チームの総走行距離はリーグ最下位だったように、豊富な運動量を武器に相手を追い回したわけではない。相手ボールになると、前線の4人が的確に相手のパスコースを限定しながらボール保持者をサイドに追い込んだ。奪取数のチーム1、2位はDFエウシーニョ、車屋。主に両サイドバックが高い位置で奪回した。

そこからまた攻撃の繰り返し。結果、アタッキングサード(敵陣攻撃エリア)での総パス成功数も、昨季と比べて400本近く増加。連動した守りで相手に好機すら与えず、リーグ連覇を達成した。【石川秀和】