クラブ史上20冠目で念願のアジア王者となった鹿島DF昌子源(25)が今冬、フランス1部トゥールーズへの移籍が濃厚になったことが12日、分かった。既に正式オファーが届き、鹿島は全力で慰留するものの「本人の意思を尊重する」(幹部)とした。この日、成田空港に凱旋(がいせん)帰国した昌子は「今は話すべきじゃない」と言うにとどめたが、W杯以降は海外でのプレーを望んでおり、実現の可能性が高まった。

トゥールーズはW杯直後にも、日本人移籍金最高額の約5億円を大きく上回る金額を提示。昌子もその熱意に応じようと何度も移籍を志願したが「お前の代わりはいない。タイトルを取るにはお前のリーダーシップが必要だ」と全力で慰留されて断念していた。

だが、悲願のアジア制覇を達成して鹿島側も譲歩。トゥールーズからは今回も前回同様の金額を提示されているとみられる。昌子はACL決勝前に、若手選手で戦ったJリーグでの試合を見て「『まだオレの力が必要だな』とは全然思わない。鹿島の未来は明るい気がした」と話していた。夏から変わらないオファーに応じる可能性が高い。

凱旋帰国した空港には多くの鹿島ファンが集まった。ごった返した到着ロビーでは、千葉県警の警察官約20人が対応にあたった。