唯一残されていた準々決勝は、アジア王者の鹿島アントラーズがJ2ヴァンフォーレ甲府に1-0で競り勝って2年ぶりの4強進出を果たした。ACL決勝以来の試合で苦しむも、後半31分にMF土居が決勝ゴールを決めた。鹿島は12月12日開幕のクラブワールドカップ(W杯)(UAE)に出場するため、準決勝は5日、決勝は9日に前倒しして開催される。準決勝は鹿島-浦和レッズ、ベガルタ仙台-モンテディオ山形の組み合わせとなった。

最後はアジア王者の意地が勝った。後半31分、MF土居の鮮やかなミドルシュートが吸い込まれた。「いつも右足のシュートは力んじゃうが、珍しく力が抜けた。お父さんに『思い切りシュートを打つな』と言われていて、今日に限ってそう思ったのが、たまたま良いゴールになった」。ACL優勝後、最初の試合で鹿島が勝負強さを見せた。

精神的に限りなく難しい試合だった。「アジア王者」として見られる目。J2相手で「勝って当然」という雰囲気。それでいて失うモノがない甲府の大番狂わせを狙う色気。MF三竿健とDFチョン・スンヒョンが代表で離れ、FW鈴木も負傷でいない。平静を意識するほど難しくなった。

ただ、試合前「この試合が、この先を左右する」と、大岩監督や小笠原、遠藤が口をそろえて言った。それだけの意識が鹿島の選手にあった。だから焦ることなく、得点が入らなくとも集中は途切れなかった。

ACLで20冠に輝いた。だが「余韻には浸れない。アジア一は過去のこと。21冠目に向かっている」と昌子。両膝手術からMFレアンドロが約7カ月半ぶりに復帰、肉離れのDF内田もベンチに入った。今季は最低でもクラブ最多58試合を戦う。次なる戦いへ向かい続ける。【今村健人】