法大が、延長戦の末に順大に競り勝ち、2年連続で決勝進出を果たした。

法大は、U-21日本代表FW上田綺世(2年=鹿島学園)が初戦で肩を負傷した影響でベンチスタートだったが、0-0で迎えた後半18分に投入されると、わずか4分後、ペナルティーエリア内へ仕掛けたところを相手DFに倒されPKを獲得。自ら獲得したPKを冷静に左に蹴りこみ、先制に成功した。

順大は後半32分にコーナーキックから同点に追いついたが、延長前半9分、法大は身長161センチのMF紺野和也(3年=武南)が、相手のパスをカットしそのままドリブルで持ち込み左足シュート。決勝点を奪い逃げ切った。

上田は「90分で試合を仕上げられなかったのは反省」としながらも「PKもらって決めるのも自分の武器の1つ。その武器を見せられたのは良かった」と手ごたえを口にした。

2年生ながら、エースの自覚は強い。今夏にはU-21日本代表としてアジア大会の舞台に立った。「僕自身の武器は点を取ること。人間的な部分では吸収力も武器」と自負する。代表合宿でプロの選手と練習に励み「1回でどれだけ、チームメートの特長を理解し、自分に足りないものを盗めるか」を考えていた。

「足りない部分を自分の力にするために動きだしている。次に呼ばれた時、それができれば成長」。足りないと感じた部分は、一瞬の動きだしやジャンプのタイミングなど「細かな気づき」だったことを明かし「勝負際での違いを感じ取った」と振り返る。

「もう、がむしゃらにやって失うものがない選手ではない。チームを背負って戦わないといけないという自覚もある。経験を経て成長していかないと、チームを勝たせることができない」と貪欲だ。

決勝では駒大と戦う。昨年の決勝は流通経大に1-5で大敗し準優勝に終わった。上田は途中出場したが、わずか10分で負傷交代。結果を残すことができなかった。「去年の決勝でけがしたのは僕の実力。でも、今年は今年。去年を引きずっていたらいいパフォーマンス出せない。今年の決勝をどう戦うか考えたい」と優勝を見据えた。