ガンバ大阪MF倉田秋(30)が23日、大阪・吹田市内で「第1回 倉田秋カップ」を開催した。G大阪の本拠地がある吹田市や、倉田の出身地高槻市など地元の小学生12チームが集まり対戦。倉田自ら「優秀選手」や「倉田秋賞」を決め、サイン入りのスパイクやユニホームを贈呈した。

大会中も積極的に子どもたちに話しかけ、一人一人と交流。パスの出し方、ボールの蹴り方などを丁寧に教えていた。今大会は自らが企画。「自分で何かやりたくて。現役中に大会とかやってみたかったし、子どもたちと触れ合いたかった」。試合後にはドリブル競争のイベントも発案し、自身の得意のドリブルを披露。子どもたちからは「速いなー!」と驚きの声が上がった。

子どもたちからは「刺激もらえた。みんながただただ笑顔なのがうれしかった。何かは感じてくれたと思うし、それだけで良かった。子どもたち楽しそうやった」と力をもらった様子。来季からこの日集まった子どもたちは倉田に注目するはず。「目標にしてもらわないとあかんし、誰になりたいか聞いた時、俺って言ってもらえるぐらいの活躍をしないと」と引き締めた。

刺激はこの日だけでなかった。シーズン終了後、欧州に2週間ほど旅行に出掛けた。スペインでは11日の欧州CL1次リーグバルセロナ対トッテナムを観戦。バルセロナの本拠地カンプ・ノウを初めて訪れ「ファンはボール持った時にわくわくする選手に(対して)盛り上がっていた。そういう選手になりたいと思った」と心を躍らせた。

さらに11年C大阪時代のチームメートで同学年のベティスMF乾貴士(30)とも現地で再会。「欧州に行って分かった。あそこで1人で戦っているのはすごい。でも楽しそうにやってたから、あいつらしいな」。充実したオフを過ごしており「充電しまくってる。早くシーズン始まらんかな。早くサッカーやりたい」と、来季を心待ちにした。

今季は序盤に残留争いしたが、宮本監督就任後は立て直し9位で終了。10番を背負って2年目の倉田自身は31試合4得点だった。「全然良くない。全くあかん。実力不足。だからあれだけ(チームが)苦しんだ。来年、自分がその倍以上(点を)取れればタイトルは見えてくると思う」。来季は4年ぶりのタイトルが懸かる。「10番になってからタイトルを取っていない。タイトルを取って(チームに)残していかないと」。責任感は人一倍強い。30歳で迎える来季へ既に倉田の覚悟は決まっている。【小杉舞】