冬の風物詩、全国高校サッカー選手権大会が今日30日、駒沢陸上競技場で幕を開ける。開幕戦は駒沢大高(東京B)と那覇西の顔合わせ。来月14日の決勝戦まで、全国48の代表校が各地で熱戦を繰り広げる。前年度大会の決勝で、当時2年生ながら後半ロスタイムに決勝弾を決めた前橋育英FW榎本樹(3年、松本内定)は、来月2日の2回戦から登場する。

名門前橋育英に初優勝をもたらした男は、静かに闘志を燃やしていた。FW榎本はその決勝戦で右膝を負傷し、今夏のインターハイ後には左膝半月板を損傷。ケガ続きだったが、復帰後は徐々に調子を取り戻し「今がベストに近いです」。

周囲は「連覇、連覇」とはやし立てるが、本人たちは至って冷静だ。「チームとして掲げているのは連覇じゃなくて、自分たちの代で優勝すること」と榎本。「そこはブレずにやってきた。前年度王者というのは1回捨てて、もう1度チャレンジャーとしてやっていこうと話しています」。山田耕介監督は「今年の魅力は攻撃力。層が厚く、タイプの異なる選手がそろっている」と胸を張る。自慢の得点力で、今年も冬の主役に躍り出る。