東邦が大分に敗れ、東邦の小さなGK木下堅登(3年)が、競技生活にピリオドを打った。木下は身長163センチで、今大会のGKでは最小兵。

愛知県大会では果敢な飛びだしや的確なコーチング、PK戦でのセーブなどで守備をけん引したが、全国舞台で3失点での悔しい“最終戦”となった。木下は「後輩や応援してくれた人にふがいないプレーを見せてしまった。3失点は悔しいし、全国で結果を出せなかったことが悔しい。でも、これもサッカー」と潔く敗戦を受け入れた。

立ち上がりから、チームの武器である堅守が精彩を欠いた。最終ラインがズルズル下がり、大分にDFとDFの間を取られた。前半7分、相手の芸術的なトラップからのボレーシュートで失点すると、直後の19分には混戦から失点。前半33分にセットプレーから1点を返したが、後半27分には、木下が飛びだしたところを相手にループシュートを打たれ力尽きた。木下は「1、2失点目は相手もうまかったけど、自分たちの力を出す前に失点しまった。みんな、硬かった。最終ラインでコミュニケーションが取れていなかったので、僕も含め守備陣の責任。全国は厳しい場所だけど、いつも通りのサッカーが前半からできていれば…」と悔やんだ。

今後は教員の夢にまい進するため、大学ではサッカーは続けず、勉学に励む。既に東邦大への入学が決まり、体育教師を目指す。教員免許取得に加え、将来の準備のためにバイトで貯金をすることも目標だ。木下は「いずれ高校に戻って、教える立場になりたい。サッカー部にはGKコーチがいないので。僕みたいな選手が東邦高校に恩返しできれば」と前を向いた。