常盤木学園(東北1位・宮城)が1回戦で全国初勝利を挙げた専大北上(東北3位・岩手)との東北対決を11-0で制し、準々決勝進出を決めた。先制ゴールのFW塚原碧衣(3年)とMF高橋果歩(3年)がハットトリック。FW北川愛莉(3年)、MF森重亜衣子(2年)が2ゴールを決めるなど大勝した。常盤木学園は6日の準々決勝で日ノ本学園(関西2位)と対戦する。

無得点に終わった1回戦のうっぷんを晴らすかのような常盤木学園のゴールラッシュだった。藤枝順心戦から先発9人を代えて臨んだ一戦で、サブ組が強烈にアピールしてみせた。攻め込みながらもゴールを割れない嫌なムードが漂い始めた前半14分だった。相手ゴール前でFW松本天毎(3年)が粘ったこぼれ球を、FW中村恵実(3年)がGKより一瞬早く中央へセンタリング。相手DFと競り合いながら、スライディングで飛びんだFW塚原が右足で先制ゴールを決めた。

その後も前半を最少失点で乗り切りたい専大北上の前に攻めあぐむ中、前線への浮いたパスに反応し飛び出したMF高橋果が、鮮やかに右足ダイレクトで決めてみせた。そろってハットトリックの活躍に塚原は「こぼれ球とかに走り込むことは常に意識してやってきた。3年間の集大成を出せてよかった」と笑顔で、高橋果も「常に試合に出たいし、アピールしたいと思っていた」と晴れやかな表情を見せた。昨年は1回戦の大阪学芸戦でまさかの完封負け。「絶対に勝てる相手だったのに決めるべきところで決めきれなかった」(高橋果)と、悔しさを胸に1年間過ごしてきた3年生コンビが意地を見せた。

今大会は30人が登録可能となっており、文字通り総力戦が求められる。阿部由晴監督(56)は「よかったと思いますよ。みんな実力があるのに、なかなか出しきれてこなかったから」と、厚みを増した選手層に手応えを感じている。準々決勝の相手は、昨年8月の全国総体決勝で勝利した日ノ本学園。雪辱に燃える西の横綱と再び相まみえる。「優勝するために、全員で一丸となって戦いたい」と高橋果。サブ組の活躍で主力組の刺激になることは必至。大勝にも浮かれることなく、藤枝順心戦に続く大一番に臨む。【野上伸悟】