元日本代表で日本サッカー協会で指導者となった川口能活ナショナルトレセンGKコーチ(43)が9日、指導者としてスタートを切った。大阪・堺に全国から18歳以下の有望な若手を集めて行うナショナルGKキャンプにコーチとして初参加。未来の日本代表育成から、コーチとしての第1歩を踏み出した。

川口コーチは優しく声を掛け、丁寧に指示を出した。先輩コーチの助けもあっての初指導に「まだ研修中です。頭がなかなか切り替わらない」と苦笑いしつつ「選手第一です。選手の時は自分中心にやっていましたけど、選手のやりたいように」と心を配った。ピッチ脇には、長く日本代表で正GKを争った楢崎正剛氏の姿があった。GK指導の現場の勉強と川口コーチの節目を激励するため、わざわざ名古屋から駆け付け、サプライズで激励。盟友の姿に川口コーチは「お互い、日本サッカーの発展に貢献できればと思います」と話した。

日本協会はGK育成が急務との危機感を抱く。田嶋会長の肝いりで、この合宿に初めてバルセロナやマンチェスター・ユナイテッドのGKコーチを歴任した世界屈指の指導者、オランダ人のフランス・フック氏を招聘(しょうへい)した。川口コーチらの先生役としてもこれ以上ない人材。協会側も名選手の指導者人生のスタートを、手厚くサポートした。

◆ナショナルGKキャンプ 日本サッカー協会が全国から18歳以下の有望な若手を集めて行うGKだけの強化合宿。U-18(高校)、U-15(中学)の両世代各10人の計20人が参加。今年で21年目を迎え川島永嗣、西川周作、権田修一、中村航輔ら後の日本代表も数多く輩出。