ベガルタ仙台から移籍したコンサドーレ札幌MF中野嘉大(25)が開幕スタメンに名乗りを上げた。

チームは11日、キャンプ中の沖縄・金武町で最後の実戦となるJ2琉球との練習試合(1、3、4本目45分、2本目30分)を6-2で勝利した。中野は左サイドハーフとして初めて先発。1アシストをマークした。沖縄キャンプ総仕上げの一戦で、湘南との開幕戦(23日、BMWスタジアム平塚)へアピールした。

中野が開幕戦ピッチに立つ権利に迫った。今季対外試合6戦目で、初めて主力がそろう1本目から左サイドハーフとして出場した。1、2本目の75分間プレーをやりきり「初めてスタメン組とやったけど、やりやすかった。狙いとするところは出せた」と振り返った。

本職の左サイドで生き生きとプレーした。1本目34分、ゴール前へ絶妙な左クロスを供給し、ゴールに押し込んだFWアンデルソン・ロペスの得点をアシストした。2本目開始6分には、中野からチャナティップ、福森と素早くパスがつながり、ロペスの2点目の起点となった。「点を取りたかったけど、チャンスは作れた」と、自身が求めた最低限の仕事をした。

これまでの実戦5試合で先発は1月19日ランパーンFC戦の右サイドでの1度。ほかは主に左サイドでの途中出場だった。同位置には昨季主力のFW菅が4度、MF白井が1度先発した。この日、ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)が「1本目(の選手)を上回るプレーを見せる選手でなければ、あそこに絡んでくることはできない」と話したように、先発メンバーには高い期待が込められている。沖縄最後の実戦で抜てきされた中野も、新天地での開幕スタメンが見えてきた。

新米パパとしてやる気に満ちている。タイキャンプ中だった先月に長女が誕生した。29日の帰国後オフだった3日間しか愛娘に会うことができなかったが、テレビ電話で成長を見守りながら、キャンプでトレーニングを積む日々を送っている。12日、第3次キャンプ地の熊本へ移動。開幕戦へ向け、実戦1試合を含め最終調整する。「今日は仕掛けるシーンがなかったけど、ドリブルで仕掛けられる強みを生かしたい」。川崎F、仙台時代に果たせなかった開幕スタメンへ突き進む。【保坂果那】