帝京長岡(新潟)のGK土岡優晟(3年)が今春から2つの目標を追い続ける。進学する日体大で体育教員を目指しながら、日本フットサルリーグ(Fリーグ)1部ペスカドーラ町田(東京)のサテライト・アスピランチに所属しプロ入りを目指す。8強入りした全国高校選手権は控えだったが、フットサルでは中高で全国優勝を3度経験したスキルの高いGK。4月からステージアップした挑戦が始まる。

土岡は“二刀流”の太刀を手に入れる奮闘を4年間ひたむきに続ける覚悟だ。体育教員の免許取得と、Fリーグのプロ入り。進学する日体大ではサッカー部に入らず、勉学に専念し、Fリーグ町田のサテライトに所属してプロフットサル選手への道を目指す。「大学4年間でプロを目指し、体育教員免許も取得して引退後のセカンドキャリアに生かしたい」。思い描く2つの目標を、GKとしてのプレー同様にガッチリつかみ取るつもりだ。

サッカーからフットサルへ、土岡の気持ちも体も切り替わった。2月初旬には1週間、町田のサテライトでの練習参加。地元でもフットサルの新潟モナルカに入って週2回、新潟市体育館で行われる練習に長岡市の実家から通った。町田のサテライトには4月から入る予定で、日体大の入学式は4月3日。目標への挑戦が本格スタートする。

フットサルでは過去3度、全国大会の優勝を経験した。中学3年の16年1月には全日本ユース(U-15)フットサル(愛知)でV。高校生になった同年8月に全日本U-18フットサル選手権(宮城)で優勝し、18年にも同選手権で頂点に立った。昨年3月にはフットサルのGKキャンプ東日本(茨城)に招集されたホープだ。「至近距離のシュートにも体を張って向かっていく」。ボールに体を投げ出す勇気が土岡の真骨頂だ。

春に向けての助走も始めた。「新潟モナルカから、3月まで練習参加の許可をもらっている」とフットサルの感覚は切らさない。Fリーグの育成リーグなどで結果を出せば、特別指定選手として学生でもプロのFリーグに出場は可能。「自分が止めれば、負けない。そのためには的確なコーチングでフィールドの選手を動かし、全員守備をしたい」。土岡はまずは、理想のGK像を追い求める。【涌井幹雄】

◆土岡優晟(つちおか・ゆうせい)2000年(平12)11月27日、長岡市生まれ。大島中から帝京長岡に進学。前所属は長岡JYFC。サッカーは幼稚園児のときから長岡JYで始め、GKになったのは大島小4年。高校では3年春から県高校総体(準優勝)まで先発。8強入りした1月の全国選手権は控えで1回戦の高知西戦(6-1)に15分間出場した。好きなGKはテア・シュテーゲン(26=バルセロナ)。177センチ、80キロ。

◆Fリーグ(日本フットサルリーグ) 07年に創設され、同年9月に開幕。2部リーグまであり、Jリーグと同様に1部がF1、2部がF2。町田は1部に所属。今季のF1は12チームで全33節198試合。リーグ戦の上位3チームがプレーオフに出場し、年間王者の座を争う。今季のプレーオフ決勝は23、24日に開催され、名古屋と大阪が対戦する。