コンサドーレ札幌は鹿島アントラーズに1-3で敗れ3連勝を逃し、鹿島からの18年ぶりの白星は挙げられなかった。

14日に日本代表に初選出されたFW鈴木武蔵(25)がフル出場。3戦連発はならず不完全燃焼に終わったが、この一戦でクラブ20年ぶりの日の丸戦士としての覚悟や責任感を強めた。18日から横浜市内でスタートする代表合宿に参加。日本中が注目する代表戦で、思いを爆発させる。

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2試合連続得点の鈴木が、最前線で好機を狙う。鹿島がそれを許してくれなかった。チームは4バックの堅守に苦しみ、縦パスは通らない。鈴木へボールが送られず、顔を出せない時間帯が続いた。「なかなか鹿島の引いた守備を崩せなかった」。連勝は2でストップ。強敵からの18年ぶりの勝利をホームのサポーターに届けるため、走り続けたが苦汁を飲まされた。

この日、鈴木のシュートは前後半1本ずつ。2失点後の前半45分、MF菅からの左クロスを受け、右足で放ったシュートは相手DFに阻まれた。後半46分にはヘディングでゴールを狙ったが、GKにセーブされた。後半40分のMFロペスの得点をアシストはしたが、「後半最後に決定機があって、前半のうちに出せれば良かった。もったいない部分もあった」。少ないチャンスをものにできず、悔しさをにじませた。

試合前、目の前の光景に気合が入った。スタンドには、日の丸に自身の名前が刻まれた旗などが多数掲げられていた。自身初の日本代表入りは、クラブにとっても20年ぶり2人目の快挙。サポーターにとっても誇りだ。祝福と大声援に「ありがたいし、コンサドーレを背負って(代表に)行くんだなって気持ちになった」。チームでのプレーが評価されての選出だと十分理解している。だからこそ、代表戦前にチームとしての結果が欲しかった。

18日から代表合宿に参加し、国際親善試合コロンビア戦(22日、日産ス)ほかに挑む。日本屈指の選手が集まり、世界レベルを肌で感じ、吸収するものも多いはずだ。「(16年リオデジャネイロ)五輪が終わって、初めて代表のユニホームを着られる機会。試合に出たら、自分のできることを自信持ってプレーしたい」と代表デビューを待ち望む。次節30日アウェー名古屋戦では、代表帰りのひとまわり成長した背番号9が、大暴れする。【保坂果那】