浦和レッズが、2年連続でイニエスタ欠場の“肩すかし”マッチを制した。昨年9月(4-0)に続き、ヴィッセル神戸の世界的名手はメンバー外。試合2時間前の発表でため息が漏れた中、前半10分に相手のパスミスから得たPKをFW興梠が自ら決め、あとは5バックで自陣を固めて1-0で逃げ切った。

今年も来なかった。オリベイラ監督が「彼は埼玉が嫌いなようだ」と笑わせれば、興梠も「皆さん、イニエスタを見たかったと思いますけど」と苦笑い。一部ファンの間では「空想上の人物なのでは」と話題になっている。神戸戦のチケットは2年連続で完売。昨年は5万5689人、今年は5万4599人の計11万人超を集めたものの、お目当ての姿は拝めずに今季加入のFWビジャもお休みだった。

浦和イレブンも拍子抜けした。「イニエスタ選手だけの映像を20分くらい見て分析したのに…。あの時間は何だったんだ」とDF槙野。「代わりにハードワークする選手が出てきて、やりづらかった部分はある」と続けた通り、結局はボールを握られ支配率25%の防戦となった。それでも今季ホーム初勝利。ウェリントン狙いの空中戦も制し、平成最後の埼玉で翔(と)んで守って勝ち切った。【木下淳】

◆前回対戦VTR(18年9月23日) 神戸はイニエスタが右足のけがで欠場し0-4大敗。試合前には欠場情報がSNS上で拡散。これはJリーグの規約に抵触し、Jは後日DF高橋にけん責、クラブには1カ月の謹慎処分を科した。このカードはtotoの対象試合でもあった。加えて、イニエスタの肉親がアップしたとみられる、欠場した同選手の娯楽施設でのプライベート写真も出回った。なお、リージョ監督はこの試合は就労ビザがなくスタンド観戦で、暫定の林監督が指揮した。