川崎フロンターレの大卒2年目のMF脇坂泰斗(23)が、28日のアウェー神戸戦で、リーグ戦で初先発する可能性が出てきた。

チームは26日、神奈川・川崎市内で調整し、戦術練習で脇坂が主力組でプレー。MF阿部、中村が別メニュー調整の中、川崎フロンターレ下部-阪南大から加入した23歳にチャンスが巡ってきそうだ。

脇坂は練習での主力組抜てきに「いつも呼ばれる準備はしているので、驚きはなかった」とし「チームが点を取るために何ができるかを考えて、自分でもチャンスがあれば(シュートを)打っていきたい」と持ち味の攻撃面での貢献をイメージした。

1年目の昨季はリーグでの出場はなく、天皇杯1試合と、既に敗退が決まっていたACLの1次リーグ最終節・蔚山戦の出場にとどまっていた。2年目の今季は、守備面や攻撃時の展開力など成長を遂げ、19日の湘南戦でリーグ戦デビュー。引き分けた23日のACL・蔚山戦でも途中出場した。競争が激しい王者チームで、出場機会を得るまで長い時間を要したが「1年目から簡単に出られるとは思っていなかった。自分のレベルアップがチームのプラスになると常に考えていた。その結果、チャンスが出てきたので。去年の1年がなければ今は絶対にない。あの1年が大事だった」と振り返る。

172センチ、67キロと決して大柄ではない。高校時代からお手本にしていたのは、神戸MFイニエスタだった。トラップやボールの置きどころ、相手に当たられないポジショニングや体の向きをバルセロナ時代のイニエスタの映像を見て吸収した。神戸戦で先発すれば、イニエスタと同じピッチで戦うことになる。

鬼木達監督は、リーグとACLの連戦に「踏ん張りどころ」と位置づける。14日の鳥栖戦、19日の湘南戦と、負傷で主力を欠きながらも2連勝し、指揮官は「去年も、その前の年も出た選手が結果を残してくれて心強い」と話す。その中で、脇坂は「だれが出ても強いチームにしていかないといけない。サブや若い選手がもっと試合に関わって、いい勢いをつけていければ」と、3連覇へ貢献する覚悟を示した。【岩田千代巳】