日本代表として南米選手権(ブラジル)に臨むコンサドーレ札幌FW菅大輝(20)が11日、開催地に向けて出発する。10日は札幌・宮の沢で、大会前最後のチーム練習に参加した。下部組織からの生え抜きでは、クラブ初のA代表。周囲からの期待を胸に臨む大舞台で、20年東京五輪代表を確かなものにする活躍を誓った。

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菅の日本代表としての戦いが幕を開ける。出発前日はチームメートらと、いつも通り、ボール回しなどで汗を流した。練習を終えると、ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)からは「『頑張って来い』と言われた」と、エールをもらった。サッカーの本場ブラジルで日の丸を背負い、強豪南米勢とプレーする。「やれるのか不安な面も大きい」と、二十歳の胸の内を正直に明かした。

今季チームではリーグ開幕から全試合で先発起用され、主力に定着。その活躍が日本代表選出へとつながった。強制ではない招集通知だったが、三上大勝GM(47)は「残ったメンバーでなんとか(リーグ戦の)勝ち点を拾いながら、お互い成長して夏以降を迎えるのが、いいのではないかという判断」と、伸び盛りの若手を送り出す決断を下した。

当人もそのメッセージを、しっかり受け止めている。「(不在の間に)スタメンを取られるんじゃないかという不安しかない」とおどけたが、離脱前最後の試合だった前節広島戦の勝利を「チーム(の一員)としてはいい形で終われたので」と、主力らしく、振り返った。代表でも、クラブで磨いてきた力を発揮するだけ。ひとまわり大きくなって、チームに戻って来るつもりだ。

来年の東京五輪代表入りへ、生き残りをかける場でもある。今回のA代表は五輪世代中心。「この大会は一番、五輪に近い」と感じており、本番を想定できる環境でアピールするチャンスだ。「自分のやるべきことをしっかりやって、積極的に自分の良さを出さないと。今できるパフォーマンス全てをコパ(南米選手権)で出してチャレンジしていきたい」。小樽市生まれ、下部組織出身の生え抜き道産子は、「札幌」の看板を背負って南米へと乗り込む。【保坂果那】