鹿島アントラーズは30日、フリーマーケットアプリなどを手がけるIT企業のメルカリ社(東京都港区)に身売りすることを発表した。

鹿島アントラーズの親会社である日本製鉄が、保有する発行済み株式の61・6%をメルカリに譲渡。売却額は約16億円となる。日本製鉄は残った鹿島の株式11・0%を保有する。この日、都内で鹿島の庄野洋社長、メルカリの小泉文明社長兼COO、日本製鉄の津加宏執行役員が会見に臨んだ。

メルカリはこのほど、1年間の決算で最終的な赤字が137億円の見通しになると発表したばかり。その中での鹿島の子会社化の決断だ。

メルカリの小泉社長はアメリカやキャッシュレスの新規の事業をしていることを挙げ「時価総額は4500億円ある。断片的な赤字ではなく中長期の成長を成し遂げたい」と強調し、「アントラーズとともにビジネスをつくっていきたい」とした。

また、株式をメルカリに譲渡した日本製鉄の津加執行役員は、譲渡先としてメルカリを選んだ理由を「本拠地は鹿島で、ホームスタジアムはカシマスタジアムを継続使用する点。地域貢献への取り組み。メルカリで引き続きその理念を大事にする。クラブ設立からの理念を継承することを確認できた」と説明した。

◆株式会社メルカリ 13年2月に株式会社コウゾウとして創業し、同年11月に現在の社名に変更。18年6月に東京証券取引所の新興市場マザーズに株式を上場した。事業内容はスマートフォン向けフリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運営。所在地は東京都港区六本木。代表者は山田進太郎代表取締役会長兼CEO。