J1清水エスパルスの新加入DF吉本一謙(31)が持ち前の統率力で2試合連続完封に導く。8日は静岡市内で非公開練習に参加。10日のホーム松本戦(アイスタ、午後6時)では先発が濃厚で「結果を出し続けなければいけない」と表情を引き締めた。

3日の前節アウェー横浜戦ではセンターバックで先発出場。東京から完全移籍で加入し、わずか4日でデビューを果たした。「自分にとっては人生を左右する試合だった。めちゃくちゃ緊張した」。試合終盤には両足がつり、無念の負傷交代。それでも、対人の強さと的確な指示で最終ラインを束ね、チームの13試合ぶり無失点に貢献した。

J1での出場は2シーズンぶりだった。今夏までは期限付き移籍先のJ2福岡でプレー。吉本は「J1では細かいことに気を使うことが多い」。横浜戦ではあわや失点の場面もあり、自身のプレーに満足できなかった。定位置も確約されている状況ではなく、毎試合が「サッカー人生ラストだという気持ちで戦いたい」。松本戦は清水の一員として迎える初のホーム戦。吉本は「責任を背負ってゼロに抑えたい」と強い決意を口にした。【神谷亮磨】