名古屋グランパスが2位川崎フロンターレを破り、11試合ぶりに勝利を手にした。

前節の浦和レッズ戦では後半ロスタイムに追いつかれるなど、10戦勝ちなし(4分け6敗)と苦境に陥っていた名古屋が、これまでの不調がうそのような積極果敢な攻守を展開し、主導権を握った。

前半12分、FWガブリエル・シャビエルからのCK、川崎FDF谷口にヘディングでクリアされたボールはペナルティーエリアの外へ。ゴール前中央へ詰めていたDF吉田豊は、目の前へ跳ね返されてきた浮き球を右足で直接、ボレーシュート。鋭い弾道を描いたボールをMF和泉竜司が頭でそらしコースを変えると、GKは反応できず、ゴールへと勢いよく飛び込んだ。

続く前半18分、ショートパスを受けたガブリエル・シャビエルがマルセイユ・ルーレットで相手選手をかわし、ペナルティーエリア左のMF和泉へパス。和泉は右へ短く持ち出し、右足でシュート。セーブを試みたGKの手に振れたが、ゴール左へ転がり込んだ。2-0と序盤でリードを広げた。

後半は川崎Fの猛攻の前に自陣に押し込められる時間が増えたが、名古屋は全員で引き、人数をかけ、体を張ってしのいだ。

すると後半19分、名古屋に追加点が生まれる。左サイドを巧みなパスワークで崩し、DF吉田がフリーで抜け出す。そしてペナルティーエリアまで運んだところで、ゴール中央へパス。受けたMF前田直輝が右足で押し込み、3-0とした。

後半35分、ピッチでは小競り合いが起こり、川崎FはDF谷口が前田を突き飛ばし退場。3点を追う展開の中で、数的不利に陥った。

後半39分、川崎Fはゴール前の密集地を細かいパスワークで崩し、MF家長昭博が右サイドからクロス。DF登里享平がヘディングシュートを打つも、名古屋DF中谷進之介がゴールライン上、体でボールをブロックし、さらにDF藤井陽也がクリア。ギリギリのところで失点を防いだ。

このまま試合は終了。5月12日の浦和レッズ戦(2-0)以来の勝利で、名古屋がようやく長いトンネルから抜けた。