北海道コンサドーレ札幌に来季加入が内定している特別指定選手、MF金子拓郎(22=日大4年)が13日、金メダルを引っさげ約1カ月半ぶりに合流した。

7月のユニバーシアード夏季大会(イタリア)に出場して、3ゴールで日本の2連覇に貢献した。J2・FC琉球に移籍したMF小野伸二(39)からは、「期待の若手」として名前を挙げられた。期待の背番号30が、次はリーグ戦で大暴れする。

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大学生のMF金子が天才からの金言を胸に再スタートを切る。この日、札幌・宮の沢でのチーム練習に、約1カ月半ぶりに参加した。11日の大学リーグ戦に出場したため、10日の浦和レッズ戦が札幌ラストゲームとなった小野とはすれ違いになった。「あいさつはできなかったですね。今度どこかで会ったらしっかりしたい」と寂しそうな表情だった。

貴重な時間を忘れない。一緒に練習したときは、同じ中盤だけに多くの助言を受けた。最も印象に残ったのが「調子が良い時こそ反省しろ」。悪い時はその要因を分析するのは当たり前。活躍してる時こそより高い質を求める姿勢を学んだ。クラブはサポーターから移籍する小野への質問を募集。その質問に回答する動画で「期待する若手は?」に、小野の口から「金子」と自分の名前が出た。「うれしいですね。いろいろ教えていただいたのもすごくありがたかった」と言う。

同世代からも刺激を受ける。サッカーは最後の開催となったユニバーシアードで、チーム2位タイの3得点を決めて日本の2連覇に貢献した。「いろんな国とできたことが経験値になった」。一緒に日の丸を背負い戦った法大のFW上田綺世(鹿島)や大体大のFW林大地(鳥栖)は、前節リーグ戦でプロ初得点をマークした。「成長させてくれる存在です。自分も結果にこだわっていきたい」と燃えている。

現在、大学は夏休み。日大の合宿も含め道内に約1カ月滞在する。6月まではリーグ戦に6試合に途中出場。チームは小野らの移籍で登録選手は開幕から3人少ない24人という状況。さらに負傷者も抱える。国際大会を経験して、さらなる戦力として猛アピールしたいところだ。17日アウェー清水エスパルス戦に向けては「試合に絡むために、練習から自分の良さをどんどん出したい」。休んでられない、必死の夏休みが始まる。【西塚祐司】

▽金子と同じく来季加入内定の大体大4年DF田中駿太(22=大体大4年)は初のベンチ入りを目指す。ユニバーシアードは4試合で先発し、最終ラインで奮闘した。金子より一足早く2日から練習参加し、同期の到着に「待ってましたよ」と笑顔だった。「足元でつなぐサッカーはできていると思う。もっとアピールしたい」と意気込んだ。

◆金子拓郎(かねこ・たくろう)1997年(平9)7月30日、埼玉県生まれ。小学1年でサッカーを始め小川スポーツ少年団、クマガヤSCに所属。前橋育英では2年時に高校選手権で準優勝。3年時は8強で優秀選手に選出される。日大では3年時に東京都大学リーグ1部で8得点、最優秀選手賞を受賞。今年2月に札幌と仮契約を結び来季加入が内定。3月に特別指定選手に承認され、同30日のリーグ戦名古屋戦で公式戦デビュー。178センチ、68キロ。左利き。