アルビレックス新潟は今季2度目の3連敗を喫した。ツエーゲン金沢に2-3で敗れた。前半3分、コーナーキックの流れで先制されるが、同30分にFWレオナルド(22)が同点ゴール。後半5分にPKを献上して勝ち越されたものの、今度は同23分にレオナルドがPKを決めて追いついた。だが、同27分にまたもコーナーキックからゴールを許した。金沢戦は6月のアウェー戦(●1-2)、7月の天皇杯(アウェー、●0-1)に続く今季3連敗になった。

  ◇    ◇    ◇

試合終了の瞬間、金沢のサポーターから歓声が上がり、新潟のサポーターは沈黙した。その中で新潟の選手は一様に無念の表情を浮かべた。2度リードされたが、そのたびに追いついた。それでも勝ち越せなかった。決勝点は今季の課題の1つ、コーナーキックからの失点だった。後半ロスタイム、レオナルドがこの試合2度目のPKで同点を狙ったが、金沢のGK白井裕人(31)に阻まれた。

3試合ぶりにゴールはこじ開けた。前半30分、MFシルビーニョ(29)とのワンツーからMFフランシス(29)がクロス。ファーサイドに走り込んだレオナルドが押し込んだ。レオナルドは後半23分にもPKをものにして第23節山口戦以来、今季2度目の複数得点。通算14得点に伸ばした。

試合前日の23日、ジェルソン前GKコーチ(47)の家庭の事情による退任、帰国が発表された。突然の出来事に選手にも動揺が広がった。吉永一明監督(51)は「どうにもならないことを考えて落ち込んでもいいことはない。自分たちで対応できること、やらなければならないことに集中しよう」とベクトルを前に向けさせた。

エースの得点、意思の統一。それでも白星には届かない。トップ下でチャンスメークを担ったMF高木善朗(26)が警告の累積のため、次節柏戦まで出場停止。代わってMFシルビーニョが第13節長崎戦(5月11日)以来、16試合ぶりにスタメン出場した。川崎Fから移籍し、前節岡山戦はセンターバックで出場したDF舞行龍ジェームズ(30)は右サイドバックでスタメンに入った。

前節から変化した配置も、相手を上回る結果は導き出せなかった。連なった黒星が昇格への道のりの険しさを物語っていた。【斎藤慎一郎】